2007年07月27日

1/1000ミリの感覚(大田区中小企業のマニュアル化)

先日、既に亡くなった友人宅に数人の仲間と線香を上げに行って来た。
その帰りせっかく集まったのだからと、近所の居酒屋へ立ち寄り、いろいろと話をしているうちに、その中の一人の実家の話になった。
彼の家は糀谷で旋盤加工の工場をしていて、今はお兄さんが家を継いでいるようである。
大田区糀谷の町工場といえば、世界でもトップ水準の技術を持つ事で有名である。
技術の継承の話になり、昔の職人さんは理屈でどうこうということが教えられず、下の者に「見て覚えろ」、「見て技を盗め」などと言い技の継承をして来たのだそうだ。機械には遊びがありその遊びは機械毎に違う、指先の感覚で物を削って行く、その制度は1/100ミリとか1/1000ミリとか言われているが、その感覚を言葉には出来なかったのだろう。もしその指先の感覚をマニュアル化できたら、技の継承はもっと広範囲に出来たであろう。
私も長い間、機械の操作マニュアル・取扱説明書の作成に携わってきましたが、指先の感覚が言葉に出てきたのは「強く押す」とか「乾いた布で軽く拭く」などという言葉の使い方で、世界トップ水準の感覚を言葉にしたらどんな言い回しになるのであろう。今迄、説明書を作成する際、写真を使うよりも必要部分を強調したイラストを描き言葉で説明しずらい事を解りやすくと考えて来たが、指先の感覚を解りやすく紙面に記録するには今のところ思いあたるものはない。どなたか1/1000ミリの感覚を言葉にできるアイデアをお持ちでしたら是非教えて下さい。
posted by 小林正明 at 15:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 印刷と環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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